2021年7月30日
「無類のスポーツカー好き」がたどり着いたEV
・若い頃から車マニア
・「こんな排気ガスをまき散らしていいの?」と疑問に
・EVは環境性だけじゃない。実用性&コストパフォーマンスも評価
小田原市で生まれ育ち、市内で開業医をしていらっしゃる渡邊さん。渡邊さんは病院長のかたわら、医師会会長も務めていらっしゃいます。現在、自宅のある平塚市から小田原市へ車通勤しながら、忙しくも充実した毎日を送られているとのこと。渡邊さんは若い頃から車に対する興味がとても強く、色々な車を楽しんでこられてきたそうです。しかし、最近は年齢とともに車に対する考え方、価値観が変わってきたといいます。テスラ車との出会いによって、今はガソリン車よりEV車にすっかり魅了されてしまったという渡邊さん。なぜそんなに考え方が変わったのか?車に対する想い、また車が作り出す新しい次世代の社会像について語っていただきました。
―まずは渡邊さんの自己紹介をお願いできますか?
渡邊:はい。私が子どもの頃、実家は小田原駅近くの商店街で服飾店を営んでおりました。そこで高校まで過ごした後、県内の大学に進学・就職し、現在の居住地に住むようになりました。開業のため小田原市に戻ってきたのはじつに20年ぶりくらいです。いま開業して20年になりますが、現在、地元の医師会会長も務めさせていただいています。医師業のかたわら、地域医療だけでなく、街づくりにかかわることにも興味を持っています。
―渡邊さんのカーライフはどんな感じなのでしょうか?
渡邊:自宅のある平塚市から電車か車で通勤していたのですが、新型コロナの影響でいまはほとんど車通勤になりました。マイカーにはテスラのEVを利用しています。
学生時代から車が大好きだったので、自分で車いじりもずいぶんやってきました。ボディデザインとかエンジン設計とかメカについて少し詳しくなりましたね。自動車専門誌「カーグラフィック」は熱心に愛読していましたよ。当時はエコカーといえばソーラーカーだったりして、今でも特集があったのを覚えています。
そんな車マニアだったので、乗ってみたい車がたくさんありました。1980年代に仕事でイタリアを訪れた際、アルファロメオでアウトドローモを走りイタリアンスポーツカーにはまり、モンツアでF1G Pを見てから熱狂的なフェラーリファンになり「いつかはフェラーリオーナーになるぞ」と思っていた時もあります。「車はエンジンがすべて」なんて豪語していたことも。エンジンオイルの焼ける匂いでどこ製のオイルかも当てられるほど好きでした。
でも医者として忙しく働く中、実生活でそんなスピードや排気量が必要とされる場面があるわけなく・・・結局、自由な時間も限られてしまったため実用性重視でメンテナンスが楽なドイツ車に乗る期間が長いことありました。
それでもカーライフを楽しめる人生のある限り色々な車に乗りたいという欲望が途絶えることはなく、リースを活用して興味がある車を乗り換えるという試行錯誤を繰り返していました。が、だんだん「こんな排気量の大きなエンジンがいるのか?音もびっくりするくらい大きいし・・・何だか疲れるな」とか「だいたい排気ガスまきちらしてまで、ガソリン車に乗る時代ではないのではないか?」と自省するようになっていったんです。
―そこでEVを思いついたのですか?
渡邊:そうです。次の車を探している時、以前から興味のあった東京青山にあるテスラを訪れました。そこではじめてEVに試乗させてもらって、音の静かさ、クリーンな走りと何よりも走りの機敏さに衝撃を受けました。「僕がこれからの自動車に求めていたものはこれだ!」「時代が変わったんだ」と即決しましたね。
はじめは少し充電の心配もしました。でも、ちょうど新居を建築していた時だったので、家に充電ポートを設置してもらい、まめに充電できるようになっているので困ることはありません。充電ポイントもマップでリアルタイムに探すことができるんです。それにテスラはスマ―トフォン上で車の管理ができるアプリも用意されているし、新しいソフトウェアが自動的に送られ更新されるんです、しかも無料で。常に最新の状態で乗っていられるのは他に例を見ません。
―EVのデメリット・メリットはどんなところでしょう?
渡邊:EVに関して不満やデメリットはあまり感じないです。何より、「CO2をまき散らしている」罪悪感がないのが嬉しい。とくにストップアンドゴーの多い狭い日本ではハイスピードを出すことも、大きな排気量もいらないし、街乗りにEVはぴったりじゃないでしょうか?
また、EVは初期コストが高いといわれますが、税率が軽減されたり、購入時に国から補助金も出たりしますし、何よりエンジンに関連したオイル交換やラジエター諸々の点検は一切不要で、ほぼメンテナンスフリーです。トータルでみるとコストパフォーマンスはとてもいいと思います。
―EVは実用性、環境性、コストパフォーマンスのどれをとっても魅力的だということですね。色々な車を乗りつくしてきた渡邊さんだからこそ、説得力があります。eemoのサービスはどのような感想をお持ちですか?また日産リーフの乗り心地はいかがでしょうか?
渡邊:eemoの存在はタウンニュースを読んで知りました。EVのカーシェアリング自体が斬新だし、地元でつくられた再生可能エネルギーを利用するという考え方もすごく画期的だと思います。
利用登録がすべてスマホで完結している点も便利ですね。都度書類を出したり、鍵を受け取りに行ったりする手間がいりません。ガソリンを満タンにして返さなくていい点もレンタカーに比べるとずいぶん使い勝手がいい。初めてリーフに乗った時、今までと異なる操作に少し戸惑いましたが、リーフ1車種しかないので2回目からはスムーズにいけました。新車ばかりだから綺麗で快適なのも嬉しいポイントです。
電車を利用することを考えると、コストもeemoの方が安くなります。平日18時~翌9時まで一律料金しかかからない「ナイトパック」を利用するとさらにお得です。私はeemoに乗って小田原から伊豆方面や隣県へも出かけました。
ふだんはテスラに乗っている自分ですが、日産製EV(リーフ)のつくり、操作性、快適さにはどれも感心させられました。「さすがカーメーカーのつくる車だけあるな」と。回生ブレーキの性能だけでいえば、テスラより優れているくらいです。
カーシェアリングのeemoは自分で駐車場を確保する必要がないし、街乗りにもっと活用されていいのでは?と思います。あまり知られ過ぎて需要が高まると、逆に使い勝手が悪くならないか心配ですが(笑)。将来もっと台数と車種が増えるといいですね。
―今後、渡邊さんは車とどんな付き合い方をしていきたいですか?また、どんな車社会になるといいと思いますか?
渡邊: 私はEVに乗るようになってから、ガソリン車に乗る気が全く起きなくなりました。「みんな何でいまだにガソリン車にこだわって乗っているんだろう?」と不思議に思うくらいです。それくらい世の中や車に対する考え方が一変しました。
EVは時代の流れです。日本のカーメーカーにも海外企業に負けないくらい開発を頑張ってもらいたいですね。もっとEV車種を増やしていってほしい。そのためには、再生可能エネルギーに対する認識の充実とインフラ整備に力を入れていただきたいと思います。
現在、医師会会長もしている立場上、小田原市の地域医療、ひいては街づくりまで考える機会を与えられています。自分はもともと商家生まれということもあって、人の流れとか街づくりにとても興味・関心が高い。小田原市のポテンシャルそのものは高い一方、“まとまり”がないというか今ひとつ統一感が不足している。子どもの頃、小田原はもっと活気があったのに・・・と残念な気持ちです。だから医師として街を守るだけでなく、本業に付随しながら街の活性化を考えることも仕事のうちです。
たとえば排気ガスを出さない街づくりのアイデアは尽きません。車社会の構図そのものが転換点に来ているのだと思います。せっかく城下町という歴史遺産があるわけですから、エリア内の自動車走行はEVに限定するとか、これからの高齢社会にあわせてお年寄りをピックアップできる完全自動運転EV車を導入するとか考えていきたいですね。
―「排気ガスをまき散らす車は今の感覚にフィットしない」「EVは時代の流れだ」という渡邊さんの言葉は、とても興味深いものがありました。今後はよりたくさんの方にeemoに乗ってEVの良さを体感していただきたいです。貴重なお話をありがとうございました。